今年もどうぞよろしくお願いいたします

昨年は日本で世界で、悲しいことがたくさんおこりましたね。
日本中で「がんばろう!」と呼びかけ、4月には会報の表紙にも載せましたが、
やっぱり、ずっと頑張り続けるのはしんどいです。できること、休みながらでも
一つずつやっていくことが大事なのかなと思うようになりました。

そんな昨年、我が家では6月に娘が名城病院でベプターの設置術を受けました。
早いもので、明日からまた延長手術で入院です。
先天性の側弯、これまで何の治療もしてこず、術後は生活が一変するかと
思いきや、制限はあるものの、気持ちの部分ではそう変わらずの毎日。

確かに、退院後2ケ月の診察までは、「ロッドがずれてる?外れてる??」と
結構ビビって生活してましたが、どうもないのがわかると、すっかり油断してます。
慣れとは怖いものですね。 ただこれは、娘が9歳で骨も少し固くなってきて
多少リスクが下がるからで、3歳や5歳だとまた違いますのでご注意を!!

年末は、私が心臓病の患者会(兵庫県支部)の役員もしているので、
県やいくつかの自治体との交渉に参加し、思うところも多々ありました。
そんなことや娘の様子もブログのネタに…と頭の中では色々思いながら、
実際文字にするのはなかなかで、すっかりご無沙汰ですみません。
お詫びに、何かみなさんに少しでもお役に立つ話題を…。

【育成医療の経過措置】
側弯症の手術に対して受けられる医療費助成の制度の中に、
自立支援医療(育成医療・更生医療)がありますよね。

医療費の窓口での支払が、3割負担のところが1割負担で済むというもので、
さらに所得によって、1ケ月の負担上限額が定められているため、
総医療費数百万円の高額な手術を受けた場合でも、
窓口で支払うのは数千円から数万円で済むというありがたい制度です。
(その他にも高額療養費制度や乳幼児医療費助成、障害者医療費助成など
各自、受けられる中で最も負担の少ない制度を選択されると思いますが…)

その中でも、育成医療については平成21年4月からは、
所得区分の中間層で「重度かつ継続」にあてはまらない方についても、
「経過措置」でさらに負担が抑えられています。
※中間層1…1ケ月の上限額   5,000円
 ※中間層2…1ケ月の上限額 10,000円

詳しくは、こちらがわかりやすいかと…(東京都の健康福祉局HP)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/shogai/jiritsu/

側弯の治療では、何度も手術を受けなければいけないことも多く、
また医療費以外にも、遠方への交通費や個室代、付添の宿泊費などなど…
非常に多くの出費になるので、医療費は少しでも少ない方が助かりますよね。

ただし、この経過措置は期限つきで今年の3月末までとなっていたため、
この赤字部分については、4月以降打ち切りになる予定でしたが、
この問題が出てからは、全国心臓病の子どもを守る会から厚労省などへの
働きかけや他団体の協力もあり、昨年末には見送られることが決まったようです。
(3年間延長されるとのこと。)

その経緯が載っています。(全国心臓病の子どもを守る会HP)
http://www.heart-mamoru.jp/cgi-bin/apps/front/index.cgi?view=news.Entry&pk=452

この制度を定めているのは、「障害者自立支援法」なんですが、
これが自立とは名ばかり、全国各地でいくつも訴訟が起きているほど、
障害者にとっては非常に不利で悪名高き法律と言われています。

育成医療の経過措置のように、様々な働きかけによって、
少しずつ改善はされていますが、決して十分とは言えず、
重度の障害になればなるほど利用者の負担は増え、訓練や治療、
人として基本的な生活を送るための介助を我慢せざるを得ないケースなど、
困っている方は本当に多いです。

しかし、そんな障害のある方々からの切実な訴えが届き、
自立支援法は廃止が決定していて、今、本当の意味での障害者のための法律
「障害者総合福祉法(仮称)」の制定がすすめられています。

昨年4月、内閣府に障害者制度推進改革の総合福祉部会が設置され、
8月30月には、障害者施設の関係者、専門家などで構成される部会の構成員
55名全員の一致で「障害者総合福祉法への骨格提言」がまとめられました。
この骨格提言に基づいた、新しい法律の制定が期待されています。
http://www.khj-h.com/pdf/110905.pdf#search=’総務省障害者総合福祉法’

また、制定されるまでの期間、自立支援法、児童福祉法の一部改正により、
障害者支援の強化が実施されます。http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaiseihou/dl/gaiyou.pdf

本来、こういった変更の対象となる方には、十分に周知が必要なのですが、
自治体との交渉時などでお話聞いていると、自治体(関係部署)の意識には
非常に差があり、知らないままで過ごされている方も少なくないようです。
制度があるのに利用していなかったということがないように、
お一人お一人が常に情報を入れるよう心がけていただくのも大事かと思います。

と、なんとなく…漠然と将来が明るく思えてきたような気がするかもしれませんが、
実は自立支援医療に関しては、この総合福祉法からは外れるそうでガックリ。

育成医療の経過措置については当面現行のままとなりましたが、あくまで一時的
なもので、更生医療の問題(負担額の軽減や対象者の拡大(手帳を所持しなくても
対象とする))についても見直しはされないとのことで、非常に残念です。

今後も多くの方が育成医療を受けられると思います。
あたりまえにある制度ではなく、色んな働きがあって守られていること、
また、いつなくなってもおかしくないこと、逆にはたらきかけ次第では、
より良くなることも知っていただけたら嬉しいです。

と、なんにも動かず、何も勉強してない私が言えることではないんですが…
(総合福祉法については、各地で勉強会も開かれていますが、そんな勉強会に
参加したわけでもなく、色々なところからの聞きかじりです。)
違ってる点やおかしな点があれば、遠慮なくご指摘、ご教示ください。

新年早々、長く、固くなってすみません。
最後になりましたが、昨年も会員のみなさんからたくさんのご投稿をいただき、
ありがとうございました。(ほねっとでは、会報誌の編集を担当してます)
おかげで、遅れつつもどうにか予定回数の会報を発行することができました。

そろそろ次号にとりかからないといけないのですが、
みなさんからの近況報告、まだまだお待ちしてますのでぜひお寄せ下さいね。

 

うめ